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サーフボードの製造工場 TSSC FACTORY へ潜入した!

いい波のたくさんやってくる徳島県南。いい波があれば、いい板を作る工場もあるんです。少し前ですが、牟岐にあるサーフボードの工場へ行って製造工程を見せていただいたので、その様子を紹介しましょう。

工場は、海ではなく山にあった

牟岐町にある内妻海岸では、波乗りのために多くの人が遊びに来ます。波乗りの様子、また波のない時の様子などは、こちらをぜひご覧ください。
内妻海岸でサーフィンを楽しむローカルサーファー

さてサーフボードの工場ですが、やはり海の近くなのかと思いきや、海から離れ六角舎よりもさらに山側へ行ったところにあるのです。

こちらが牟岐のサーフボードメーカー「オノグラスワークス」の工場。TSSCとはそのブランド名なのです。それにしても、正面にそびえる入り口。でかいですね。

入ってみると、山盛りのサーフボードです。梱包されて送られてきたっぽいものもたくさん。

その奥には、サーフボードの材料?のような白い板も山盛りです。

ドアに貼ってあった、中古の板のリストはほぼ売り切れ。めっちゃ人気です。

こちらの壁には数字の換算表?サーフィンでの長さの単位は、フィート・インチなんですね。

一般の方でも工場見学ができるのですが、電動工具や薬品などの危険物を扱っていますし、何よりサーフボードは壊れやすいので、触れたりしないよう、そぉぉ……っと見学しなければいけません。

 

サーフボードの製作工程を見学

入り口から向かって工場の奥は、通路を挟んで両側に部屋が複数あります。こちら全体が、サーフボードを製作するスペースになっているんですね。

通路手前にはピカピカのボード、修理待ちのボードがずらりと並んでます。カラフルできれいですね~。

手前にある部屋をのぞくと、今まさに何かの工程の最中のサーフボードを発見!そして作業しているのは…

ご存知、いつもお世話になっているやんやさん。電動のヤスリみたいなもので、板を削っているところでした。

これは、サーフボードの仕上げとして板の形状を調整する作業のようです。なんでも「シェイパー」という専門の人が担当して、絶妙な感覚で仕上げていくそう。

作業中、片時も目を離さずに集中しています。ものすごく神経を使うようですね。

続いてお隣の部屋。棚いっぱいの塗料、機械、図案本などで埋め尽くされてます。

こちらで作業していたのは宮本さん、通称みーやん。現在は引退されているそうなのですが、この工程で人手が足りず駆けつけてくれていました。

ここでは、板に図柄を入れています。マスキングした板に下書きし、図柄を切り出してペイントするまでを全部手作業。いや、何か細いテープを貼っていたり、色を調合して作成したりと、僕がよくわからないだけでもっと複雑な工程なのでしょう。

型紙の切り取りを見せてくれました。カミソリを直持ちで、スーッと曲線を描いて切り取っていく様子は圧巻。

ペイントも同じ部屋で行うそう。壁には長年の仕事のおかげか、とんだ塗料でコンセントが彩られてます。

さらに奥へ行くと、廊下には真っ白の板が掛けられています。ここから色塗ったりされるんですね。

奥の部屋は今は誰もいませんでしたが、ここは最初に板を整形していく工程の部屋です。

ちなみに一番最初は、こんな状態の板からスタート。形はおおまかにはサーフボードですが、感じとしてはビート板みたいです。

これを削りだして、廊下にあった真っ白の板のようにしていきます。真ん中にある線は、実は木の板。全部ではないそうですが、サーフボードにも背骨のようなものがあるんですね~。

色々見せていただいたところで、一旦休憩。ウッドデッキの作りで、オシャレな休憩スペースです。波がある時は波乗りを優先できる、というコンセプトの会社らしく、休憩中も波乗りの話をし、波乗りの雑誌を読むほどなのです。

どの工程も、繊細な職人技

今度は、廊下を挟んで反対側の部屋を見学。広い部屋に白いサーフボード、きらきらした布シート、そしてガラスのように透き通った塗料の跡が目に飛び込んできます。

一斗缶に一杯のこれ、すごいですね。塗料を使った後の廃品だそうです。ゴミにするには惜しいですね。

英語で書かれたラベルの塗料ビン。色の調合も全て手作業です。

この布シートは、ガラス繊維から出来ています。触ってみるとすべすべ。これを板に巻きつけていくそうです。

ドア続きになっている隣の部屋へ。シンナー系の臭いのする、めっちゃ明るい照明の下で何やら作業してますね。

この工程を担うのは大平さん。一斗缶や瓶の薬剤を調合して、何かを作っているところ。

よく混ぜた液体を手に、へりだけ器用に養生テープを貼られた板の前にやって来ました。

すると、刷毛を滑らかに動かし、板に満遍なく液体を塗りこんでいきます!

塗り上がった板のツヤといったら、めっちゃ感動しますよ。

このクリア塗装を行うことで、摩擦抵抗を下げ、板を保護する役目があるのですね。塗って数分、あっという間に乾いています。

リーシュコードをつける凹みは養生してあったんですね。ピンセットでそっと取ると、その精密機械のような仕上がりにびっくり。

その傍らで、塗装前の板の形状を確かめているのはケイスケさん。見た目では判別できませんが、わずかな感触の違いが、テイクオフや波に乗った時の動きに影響を与えるのだそうです。

その隣にはフィンをつける部分が仕上げられた板が。

尖っているもの、丸くカーブになってるもの。フィンの形も様々ですね。

フィンを見ていると、やんやさんにフィン取り付け部を作る工程を見せてもらえることに。

専用の計測器具・型取り器具を駆使して、滑らかに削り上げていきます。これは見ていて楽しい。

すぐに、きれいなひょうたん型のくぼみが完成。

そしてこの通り!寸分違わず、フィン取り付け部がはめ込まれました。

 

TSSCの工場見学はこれにて終了。全てにおいて、「精巧な技術」を目の当たりにしました。うーん、人の手でここまでのものを作り上げていくのってすごいなと思います。ここで製造、修理のされたサーフボードは徳島の海だけでなく、全世界の波に乗っているのでしょう。

TSSC FACTORY 詳細情報

【電話番号】0884−72ー1980
【WEBサイト】TSSC-ONO GLASS WORKS

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