牟岐はイカの王様アオリイカが多く採れることで非常に有名な地域なのだが、それは何時きても捕れる、釣れるというわけではない。メインシーズンは水温が下がってくる秋から初冬にかけてそれが始まるのだが、砂美ではアオリイカをヤエンで釣るおじさんたちがチラホラいた。シーズンインということである。
砂美の浜
あまりにも天気が良かったこの日。何かの取材のために車を走らせていると何となく気になったスポットがあった。
砂美の浜である。ここは夏場には地元の子供たちが海水浴が出来るようなスポットなのだが、夏が終われば当然そんな光景は見られなくなる。しかしなぜかここを通るといつも写真のように車が数台停まっているのをよく見る。
理由は釣り
理由は釣りである。昼間からおそらく定年退職を迎えたぐらいの年齢のおじさんたちが釣りを楽しんでいる。天気がいいから最高に気持ちが良さそうである。
このおじさんたちが一体何を釣っているのか気になって話しかけてみると、非常にご機嫌な様子でバケツから何かヌルっとした物体を取り出してきた。
なんとイカの王様アオリイカである。1200グラムぐらいだろうか。非常にデカイ。しかもウマそうである。秋は春に産卵したイカが成長するため小型のモノがよく釣れると聞くのだがこれはデカイ。牟岐町は「アオリイカ黒焼きそば」なんてご当地グルメがあるほどで、アオリイカが非常によく捕れる土地なのである。これも求めて釣りにやってくる方も多いのだとか。
「なんだ?雑誌の取材か?」とこのおじさん、なにやら只者ではない様子。どうやらこの辺で頻繁に釣りしている方で、何度も雑誌の取材を受けてきたそうだ。「雑誌に9つぐらいは載ってるぞ」とのこと。
アオリイカの釣り方は「ヤエン釣り」
…とボクらが砂美の海岸をフラフラしていること5分…お話を聞いていたおじさんにイカがヒットしたらしい…
といってもこのおじさんたちがやっている釣法は「ヤエン釣り」という非常に独特な釣り方。活アジを泳がせてイカが喰ってくるのを待ってからヤエンという仕掛けを投入してイカを釣る方法なのである。
なので、ヒットしたからといって簡単に釣り上げられるわけではない。これからが本当の勝負で、上の写真はヤエンをセットしている。
そしてヤエンを投入。
…がしかし、イカが違和感を感じて活アジを離してしまったらしい…釣り上げられる瞬間を写真に収めたかった。残念。おじさんもぼくらが妙に期待してしまっていたために張り切ってくれていたのだが…
しかしおじさんの楽しみはまた続くのである。
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