牟岐人 - MUGIZINE

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自然より牟岐町の人柄が好き – めし処「ねんねこ」オーナー 中谷篤弘さん


「うちの町には居酒屋が数件しかなくて、夜になると寂しくなるんだよ…」なんて話は田舎町だと決して珍しくありませんが、それは牟岐町も例外ではありません。現在牟岐町に居酒屋は数件。夜にもなると非常に静かな町になります。静かな町であることも田舎町のひとつの価値だと感じますが、やはりどこか寂しさを感じずにはいられません。

今回の牟岐人は、2022年の7月にめし処「ねんねこ」を牟岐町でオープンさせたオーナーの中谷篤弘さん。家族で牟岐町へ移住をしてきて、どのような経緯で居酒屋を開業させることになったのか?などのお話をお聞きしてきました。

コロナ禍で移住が前倒しに

編集者
中谷さんのご出身はどちらでしょうか?

中谷さん
出身は徳島市です。

編集者
いつ頃牟岐町に移住してこられたのでしょうか?

中谷さん
え〜っと…移住してきたのは2年前ぐらいですね。(2023年2月現在)

編集者
移住してきたのには何か理由があったのでしょうか?

中谷さん
妻が牟岐町出身でして。もともと徳島市で結婚して5年ぐらい住んでいたんですけど、コロナ禍になったことで徳島市で経営していた店舗の売上が下がってしまったんです。そのタイミングで店舗は閉めて…で、もともと田舎に住みたいって希望もありましたし、妻の故郷である牟岐町に帰った時にお父さんお母さんや町民の方とお話をして楽しかったんです。それでいつか牟岐町に移住したいな〜なんてことを考えていたので、移住してきました。

編集者
お店は思い切って閉めてきたんですね。

中谷さん
そうですね。3店舗あったんですけど1店舗だけは店長が引き継いでオーナーをやっていて、それ以外はすべて閉めてきました。

編集者
それらのお店はすべて居酒屋だったのでしょうか?

中谷さん
居酒屋とバーですね。ボクは料理人よりもバーテンダーの経験のほうが長くて。バーテンダー7年で料理人が6年で19歳の時からやっています。

編集者
町民の方と話をしたとのお話がありましたが、そのきっかけはなんだったのでしょうか?

中谷さん
「英(はなぶさ)」という居酒屋があって。妻がそこに来る方たちとお知り合いで、移住する前からお邪魔していたんです。その席で「こっちに移住して居酒屋をやろうと思っているんです〜」なんて話をしたら「是非やってくれ〜」とか「これからどんどん閉まってくだろうけん、やってくれたらうれしいわ〜」なんて言われまして。これはちょうど良いなと思って移住してきてお店をはじめてみたんです。

編集者
なかなか思い切った判断のようにも感じますが、コロナ禍の前からそうしたことは構想していたのでしょうか?

中谷さん
そうですね。ゆくゆくは田舎に自宅兼店舗を建てたいというのはあって。子育てをしながら仕事もできる環境を40歳ぐらいで持てたら良いなと考えてはいたんですけど、ちょうど良い物件が見つかってかなり前倒しになった形ですね。(取材時中谷さんは32歳)

▲2年ぐらい空き家になっていた建物を購入し、自宅兼店舗に改装していったそう。

編集者
2022年7月にオープンをされて約半年が経ちましたが、以前とは全く違う環境で居酒屋をはじめてみた感じはいかがでしょうか?

中谷さん
いや〜皆さん本当にいい人ですね(しみじみ)。徳島市の時は朝の5時6時までやっている居酒屋だったので、夜中にくるお客さんも酔っ払いだったりとかして結構困るシチュエーションも多かったんですが、牟岐町ではじめてからはそれが一切ないので。酔っ払っていても人柄が良いというか。

編集者
以前のお店はなかなか強烈そうですね(笑)

中谷さん
そうですね(笑)警察沙汰になって殴られたこともありましたね(汗)

編集者
一方でそうした人を相手にするお仕事がお好きでもあるんですね。

中谷さん
本当はお昼のお店でも良いんですけど、バーテンダーとしての経験が長く、得意だったりもするので。であればやっぱり夜がメインになりますね。ぼちぼちランチもしようかなと考えています。(現在の営業時間は17:00〜22:00)4月5月ぐらいにはじめられたらなと思っています。

編集者
ランチはどんなメニューを考えているのでしょうか?

中谷さん
ラーメンと丼ですね。ラーメンは今でも夜限定で出していて、ラーメンだけ食べに来る方もいらっしゃって結構人気なので、昼も出そうかなーと考えています。

▲春にランチをはじめるためにメニューを考え、色々と準備をしているそう。

自然環境より人柄に惹かれて

中谷さん
ただ、子どもが3人いるのでランチにどれだけ時間が使えるかが心配ですね。子どもが風邪とかひいたら開けれない日なんかも出てくるとは思いますが、このへんは仕方ないかなと思って割り切ってやろうと考えています。田舎町なら開いてなくても仕方ないなと分かってくれることもあると思いますし。

編集者
お子さんが3人もいらっしゃるんですね。

中谷さん
6歳4歳2歳なので、下の子が生まれてすぐぐらいの時に移住してきましたね。

編集者
上の子は今年の4月から小学生ですか?

中谷さん
そうです。

編集者
これからのお子さんの環境のことを考えての移住でもあったのでしょうか?

中谷さん
自然が近い環境に身をおけるのはありがたかったり、最近の子は結構ゲームで遊んでいることも多いので、不憫を感じさせてはいないかなとは思います。ただ、子どもの数が徳島市と比べて少ないのは可愛そうかなとは思っていますね。

編集者
中谷さん自身は自然がお好きで田舎に移住したいという想いがあったのでしょうか?

中谷さん
いや…ボクはもうインドア派なので全然です。

編集者
そうなんですか?

中谷さん
サーフィンとかもしたことはあるんですけど、運動神経が良くないので。海とか山とかもあんまり行かないですね。

編集者
では牟岐町に惹かれた理由は自然環境ってわけではなく?

中谷さん
人柄ですね。落ち着いていてゆったりとした人たちばかりなので、自分に向いているなと感じたんです。徳島市に住んでいる時は喧騒がしんどかったりもしたのでそれも含めてですね。

編集者
確かに牟岐町は徳島県中心地と比べると、断然ゆったりとした人が多いと感じます。

中谷さん
妻のご両親に子どもの世話をしてもらったりもしているので、そうした意味でも色々と助かっていますね。泊まりにいったりもしているので、そんな時はボクが食材だけを持っていき料理を作って、お酒を頂いてなんてこともあります。

編集者
牟岐町に移住される方の多くは自然環境を求めてこられる方が多い印象がありますが、中谷さんの場合は完全に人だったんですね。

中谷さん
ボクの場合は人でしたね。もちろん子どものことを考えると自然環境が近くにあることは良いことなので、将来的には釣りとかを子どもに教えることができたら良いなと考えています。市内に住んでいたら絶対にやらないことができる環境が近くにあることはありがたいですね。

編集者
移住されてから外でのアクティビティは何かされましたか?

中谷さん
妻の親戚の子どもと一緒に行くからと、誘われて行ったりしましたね。

編集者
どんな場所に行かれたんですか?

中谷さん
川とか海ですね。ボクは座って見ているだけでしたけど(笑)

編集者
では牟岐町に来てからは、休みの日はそうした過ごし方をしていることが多いのでしょうか?

中谷さん
今だとランチの準備をしているので結構忙しくしていますね。自営業なので休みの日でもどうしてもお店の事を考えてしまいますね。だから休みらしい休みはあまりないかもしれないです。

編集者
奥さんも牟岐町でお仕事をされているのでしょうか?

中谷さん
海部郡で看護師をしています。

編集者
それも移住のしやすさに繋がったところがありそうですね。

中谷さん
そうですね。仮にお店の売上が全然ダメだったとしても子どもがご飯を食べれないことはないですし、土地を買っているため家賃がかからないので。それだったら田舎でも生活していけるなって感じたのも移住する理由としては大きかったですね。

編集者
いきあたりばったりではなく、しっかりと計画を立てて動かれている感じがありますね。

中谷さん
割と計画的に動くタイプではありますね(笑)いきあたりばったりは結構苦手です。

編集者
最後に、自宅兼お店を構えたこともありますので、今後は牟岐町で暮らしていくことになりますが、こんな暮らしをしていきたい!や、牟岐町の好きなところなどありましたら是非お聞かせください。

中谷さん
好きなところでいうとさっきも言いましたが僕が牟岐町の好きなところは人柄ですね。自然も近くにあるし良い環境だとも思います。暮らしでいうと産業祭などのイベントがあったりするので、そうした際には積極的に参加していきたいってのはありますね。牟岐町は過疎化してきてしまっているので、逆に盛り上げやすいかもしれないと思ったんです。お店を構えたのもそれで、自分が来たことで少しでも町を盛り上げることができないかと思っているところがあります。やっぱりこのままどんどん過疎化が進んでいくのは嫌なので自分が来たことでなにか盛り上げることができないかと思っています。

 

今回の牟岐人

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めし処ねんねこ オーナー

中谷篤弘さん

めし処ねんねこFacebookページ

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