今、牟岐町では『牟岐町らしい観光のあり方』として、牟岐町観光協会が新しい人員で活動を始めています。
今回の牟岐人は、前会長から引き継ぎ、現在会長として牟岐町観光協会会長を務める児戸大佐さん(36歳・写真左から3番目)と、事務局員を務める富田恵理さん(42歳・写真一番右)にお話をお聞きしてきました。
牟岐町民として牟岐を盛り上げていきたい
今こうした新しい形で牟岐町観光協会が運営されている訳ですが、どういった経緯があったのでしょうか?
今のような形になったのは今年の4月からで、そもそも元を辿っていくと数年前まで牟岐町観光協会はキチンと機能していなかった所があったんです。
…というのも、花火を上げるための協賛金を集めに行くことでしか機能していなかったんです。
牟岐町観光協会の主催っていうのは姫神祭りの納涼花火だったり、阿波おどり共演会だったんですけど、牟岐町の産業課の中に観光協会があったようなモノだったから、活動としては協賛金を集めるだけになってしまっていたりしたので、その辺りを改善していかないといけないなと思って。
いつぐらいからそうした動きがあったのですか?
確か4年前ぐらいから徐々に動きがあって、前会長も任期満了のタイミングだったりして、それでボク(児戸)が会長になり、事務局員も加わり新しいカタチで運営するようになりましたね。
なぜ会長になろうと思ったんですか?
なんでやろ?他の人がしないからかな(笑)
以前から副会長はしていたっていうのもあるし、周りの皆に勧められたっていうのもあるし、大ちゃんやったら出来るわって言われて(笑)
だから特に選挙もなく対抗馬もなく。
もちろん本業の自動車整備があるから、例えばイベントなどに参加出来ない時は本業を優先という前提で会長をしていますね。
以前は副会長ではあったのですが、会長になり、より牟岐町観光協会に深く携わるようになったことで、牟岐町を益々盛り上げて行きたいとか、そうした思いはあったりするのでしょうか?
それは観光協会がどうとかというのは実は関係なくて、以前からイベントには携わって牟岐町を盛り上げて行きたいという思いはずっとあったから、特別何かが変わったとかそういうのは全然なくて。ただ、その時は出来る事が限られていたっていのはありますね。
なるほど、観光協会云々ではなく、大前提として牟岐町民として牟岐町を盛り上げていきたいという思いがあるということですね。
子供が自慢できるような町に
私(富田)はもともと関西出身で…
そうなんですかっ!?てっきり牟岐町生まれかと思っていました!
そうなんです。夫が元々牟岐の人だからUターン組になるのかな。子供が一歳の時にこっちに帰ってきて。
帰ってきた理由はなんだったのでしょうか?
家庭の事情があったんだけど、夫は元々ずっと帰ってきたいっていう思いはあったみたいで。だからキッカケが家庭の事情だったというだけで。
だから帰ると決めてから半年で帰ってきました。子供も小さいから今のうちに!みたいなそんな感じで。
すごい行動力ですね。田舎へのUターンの問題点としてお仕事や就職先が一番の難題だと思いますが、そうしたお仕事などの心配はなかったですか?
夫は職人なので。需要はあるから全然問題なかったですね。
だから帰ってきたその時ぐらいからかな…牟岐町に来て何もないと感じてしまうことも多くて、このままだと例えば子供たちが自慢出来るようなことも無いかもしれないし、絶対に都会に出てってしまうなーと感じて。
だから子供たちが例えば大人になった時にも自慢できるような町にしたいなーという思いがありますね。
出来るイベントをやりながらも…
新しくなった牟岐町観光協会ですが、これまでに取り組んできたことはどんな事があるのでしょうか?
今カタチになってきたのは牟岐町産業祭ですね。
昔は牟岐町商工祭というのがあったんだけど、一次産業などが衰退していったことによって、その商工祭もなくなってしまって…
基本的に商工祭は外から人を呼んで町を盛り上げるようなイベントだったんですが、まずは地元の人たちが盛り上がらんかったら外から人を呼んでもアカンという中で、2019年の2月に初めて産業祭を初めてしました。
2019年に行った『牟岐町にぎわい産業祭』の時の様子。牟岐町観光協会ウェブサイトでもレポートされていますのでチェックしてみてください。
ショッピングセンター『ポルト』の駐車場や店舗内を使わせてもらって小さな規模での産業祭だったんだけど地元の人たちから評判が良くて。
…で、それを皮切りに、同じ年の11月に旧牟岐町学校を使って大きな産業祭が出来て。
それが新しいカタチで運営されてからの牟岐町観光協会の成果と言えますね。
こちらも牟岐町観光協会協会ウェブサイトでチェックしてみてください。
やってみてどうだったんでしょうか?大変なことも多かったのでしょうか?
んーそうやねー。ほとんど準備だったんだけどまあまあ大変でしたね。その代わり関わった人も合わせて2000人も来場してくれたのでやった甲斐がありましたね。
観光協会の活動となるとイベントが中心になってくると思うのですが、他にも行ったイベントはあるのでしょうか?
後は姫神祭とか、磯釣り大会とか、グレの放流イベントなども、磯釣り渡船組合に協力してもらってやったりしてきましたね。
そうしたイベントを中心に牟岐町観光協会が動き出した状況の中、今年からは新型コロナウイルスによって多くのイベントが中止にせざる得なくなってしまったと思いますが、これからはどういった事を行っていくのでしょうか?
毎年行われているイベントはことごとく中止になってしまいましたので今は出来る事としてローカルのフリーペーパーやウェブサイトを使った情報発信をするようにしています。
イベントは全く出来ていない状況でしょうか?
グレの稚魚放流イベントが7月に今年初のイベントとして開催出来ましたね。
グレ稚魚放流イベントを開催しました。 | 【四国・徳島】牟岐町観光協会
参加者50組と限定をしたので、特に問題なくイベントを終えることも出来て、評判も良かったですね。ただ、牟岐町に住む子供たちのためのイベントが開催出来ていなかったので、せめて花火だけでもと思って8月には納涼花火も開催しました。観光協会の理事の方々もやろやろ!と言ってくれたお陰でなんとか大好評で終えることが出来ました。
子どもたちに夏の思い出を‼牟岐町納涼花火を開催しました。 | 【四国・徳島】牟岐町観光協会
なので、納涼花火が今年初めて牟岐の人たちと一緒になって出来たイベントだったんじゃないかなー。
それでは今後もコロナの様子を伺いながら、出来そうなイベントは可能な限りやっていくというようなスタンスでしょうか?
そうですね。
これから考えているイベントはあったりするのでしょうか?
やっぱり11月に予定している産業祭ですね。
この状態で出来るのかどうかは分からないから、オンライン産業祭というカタチでも出来たら良いなと考えています。
オンライン産業祭ですか?
コロナウイルスのガイドラインに合わせてイベントを開催しようと思ったら、ソーシャルディスタンスを取らざる得なかったりなどして、必然的にハードルが高くなってしまうため、例えば動画などを事前に撮っておいてオンラインで買い物が出来たりするようにしたりするなど、まだ未定の部分が多いので具体的にどうしていくのかはまだ考えている最中なのですが…
ただ11月に開催出来るとは思えないので、これからそうしたオンラインでの話を進めていこうと思っています。
そうですね…難しい所ではありますが、実際にイベントが出来たら良いに越したことはないですね。
町民が自慢できる町を一緒に作り上げていきたい
最後に今後の牟岐町観光協会の展望をお願いします。
今後の展望は、とにかく牟岐町民が楽しめることをしていきたいなと思っています。町民の人たちが楽しむことで自慢できるようなことを一緒に作り上げていきたいなと考えています。
観光というと牟岐町の場合、いわゆる観光名所や産業がないからすごく難しい所があるし、観光施設を作ることが私たちの役目ではないと思っています。
先ずは牟岐町に住む人たちが楽しめるというか、そんな町になれば良いなと思って活動をしています。
なるほど。牟岐町の魅力は先ずは町の人たちが再認識する必要があるとも言えますね。
そうですね。そこから初めて外から人を呼び込めるのかなと思っています。
だから他所のいわゆる観光協会とは少しスタイルが違うのかなとは思いますね。
現在、牟岐町に関わらず世界各地の観光産業が壊滅をしている状況です。徳島県であれば阿波おどりが中止になるなど、通常ではあり得ない事態になってしまっています。そうした状況下において『自分の町を自慢が出来る町』ほど強いのではないかと思わさずにはいられないインタビューとなりました。
今後、どのようなスタイルで観光産業を盛り上げていくのが正解なのかはまだ全く無い状態ですが、『自分の住む町が自慢出来る町』ほど強い町は無いのかもしれないと思った次第です。
牟岐町観光協会の皆さん
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